文房具ライター&ブロガーの猪口フミヒロです。
今日は、「消しゴムの選び方」をレクチャーします。
たくさんある消しゴムの中からどれを選ぶべきなんでしょうか?自分に一番合った消しゴムを見つける方法を紹介しますので、是非、参考にしてくださいね。
- 消しゴムはリカバリーの文房具です
- 消しゴムを選択するときの判断基準です
- 1、消しゴム本体の素材と柔らかさで選ぶ
- 2、消しクズがまとまりやすいものを選ぶ
- 3、スリーブの使いやすさと機能で選ぶ
- 4、消しゴムは、好きなブランドで選ぶ
- 5、本体の色合いで選ぼう
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消しゴムはリカバリーの文房具です
消しゴムは、主に鉛筆で書かれたものを消し取る文房具です。従来品は天然ゴム成分のものが主流だったので「ゴム」と呼ばれています。消したい部分に擦り付け、紙の表面に付着した黒鉛成分を絡め取るので、キレイになるのです。
僕はよく消えない消しゴムが横行していた時代も良く知っているので、近年の素晴らしい進化に感動しています。マニアなのでたくさんの消しゴムを持っていますが、そんなに性能が悪くて消えないものは、ほぼありません。
そんな時代ですので、当然のようにユーザーの皆さんからは「どの消しゴムを選んだらいいの?」という疑問が湧いてきます。どれを選んでも似たり寄ったりの時代になれば、こんな質問が出てくるのは当然ですよね。
今日は、その質問に文房具のプロとしてしっかりお答えしたいと思います。よろしくお付合いくださいね。
消しゴムを選択するときの判断基準です
僕が「消しゴム」に対して言い切ってしまうと、最近の消しゴムはよく消えます。それは、消しゴムを作っている会社が日本字消工業会の企画に沿ったもの作りをして、消字率80%以上のものしか販売していないからなのです。
では、どんな判断基準で消しゴムを選んだら良いんでしょう?
僕はこの5つの視点で消しゴムを選ぶことをお勧めします。
- 消しゴム本体の素材と柔らかさで選ぶ。
- 消しクズがまとまりやすいものを選ぶ。
- スリーブの使いやすさと機能で選ぶ。
- 念頭に好きなブランドを中心に選ぶ。
- 最後は好みですが、本体の色で選ぶ。
それでは、この5つの視点で説明していきましょう。
1、消しゴム本体の素材と柔らかさで選ぶ
鉛筆の字を消すならば「プラスチック」素材で十分です。でも、「ラバー消しゴム」「砂消しゴム」「練り消しゴム」など素材の選択の幅はあります。消す目的によって使い分けましょう。ここは最初に注意するところです。
そして、試しに消しゴムを使ってみましょう。その消す力の入れ加減、スピード、加圧力などが人によって違うはずです。ここは消しゴム本体の柔らかさと関わってくる部分なので、そこを加味して自分の最適を見つけましょう。
この柔らかさが消し加減にマッチしていないと、消している紙がグチャグチャになってしまったり、破れたりするのです。これは力の入れすぎだったり、紙と消しゴムの摩擦が大きすぎるのが理由です。
僕の力の入れ具合などを考えると、僕にはニトムズのスタロジーが一番相性が良いみたいです。これは体調によっても気分によっても毎日変わるものです。そのくらいデリケートなものなので、まずは自分のスタンダードを決めておきましょう。
僕は自分の消し方からニトムズの「スタロジー」を標準品と決めました。標準があると、TPOによって使い分けする判断がしやすくなるんですよ。
2、消しクズがまとまりやすいものを選ぶ
消しクズって、学校でも家でもかなりのストレスらしいです。まとまるくんが売れるのもうなずけます。最近では「磁消し」が出てきて、磁石の力で鉄分入りの消しクズを集めるという発想の消しゴムが飛ぶように売れました。
さっき、文房具友達の末ちゃんに聞いてみましたところ「消しクズがまとまりやすいものが最優先項目です!」とお子さんと主婦層の代表みたいな感じでおっしゃっておられました。そこは間違いなさそうです。
なんと消しクズは、プラスチックに付着すると、そのものを溶かしてしまうというトラブルを起こすんです。それを回避するためにも、消しクズ集めがストレスにならないものを選びましょう。ここもポイントですね。
この消しクズがまとまることという観点は、納得できますね。細かい消しクズを集めるのは面倒ですからね(笑)
3、スリーブの使いやすさと機能で選ぶ
スリーブってわかりますか?消しゴム本体が他のものとくっついてしまわないように覆ってあるケースのことです。多くは紙で出来ていて、見てどのメーカーのものなのかすぐに分かるようなデザインになってます。MONOが有名ですよね。
昔は、消しゴムを使い続けるとこのスリーブが邪魔になってくるのでハサミで切りながら使っていました。でも、最近のものは切り取り線が入っているものが多いですね。ここも進化しているなぁと感じます。
さらには、消しゴム本体とこのスリーブ部分が当たって消すときの揺れに耐え切れず、本体に亀裂が入ってしまうトラブルも発生していました。でも、このスリーブ形状を工夫することで、そのトラブルもなくなったとのこと。
スリーブが恐ろしい勢いで進化していますので、そのも着目してください。
もちろん、スリーブに印刷されたデザインも大事です。毎日目に入ってくるものだから、見ていてき目障りに感じるものは避けましょう。
4、消しゴムは、好きなブランドで選ぶ
僕は長く「MONO派」に属していましたので、手放しにここのブランドの消しゴムなら間違いなく良く消えると思っていました。昔、鉛筆を1ダーズ買うと付いてきた消しゴムの性能が驚くほど良かったからです。
でも、消字率が高いものしか市場に出なくなった今、こういう選び方も大事だと思います。ブランドのパッケージは安定しているので、自分のペンケースや勉強するシーンにも馴染みやすいのです。ホーム状態ってやつですね。
たくさんの消しゴムメーカーがありますが、まずブランドを決めるのも良いですよ。
僕はパイロットが良いなぁとか、MONOが良いとか、SEEDが良いとか、プラスが良いとか、喧々諤々議論してみるのも面白いですね。
5、本体の色合いで選ぼう
消しゴムの本体は、基本白色が多いです。理由は、日本人が見た目にこだわり白い消しゴムの方がよく消えやすいという気持ちになるからです。そこを狙ったメーカーがこぞって白い消しゴムを作り始めたので、今の状態になったのです。
もちろん、元々の素材はゴムだったので天然ゴム色です。つまりベージュっぽい色だったのですが、着色したんでしょうね。着色してまで、白いものを売りたかったのは、やはり白色が売れるというデータがあったに違いないです。
最近では白色以外のものが売れない訳ではありません。昨年発売して大流行した「クリアレーダー」は、透明ブルーでした。これはこれで消すときに狙いやすいメリットがあります。そして、黒色の消しゴムも存在を確立しています。
黒い消しゴムは汚れが目立ちにくい特徴があります。ただし、その汚れが次に消す紙に転写されないように気をつける必要がありますけどね。ここにも自分のポリシーを持っておきましょう。
うちの息子は断固として黒にこだわっています。こういうこだわりは良いと思うんです。どうしてこだわるのか言葉にしておくと、自分の持ち物に責任と理由が出てきますよ。これは、所有するという行為に絶対必要なことなんです。
そこは大事にしてもらいたいです。
さて、もう一度、復習しておきますね。
僕はこの5つの視点で消しゴムを選ぶことをお勧めします。
- 消しゴム本体の素材と柔らかさで選ぶ。
- 消しクズがまとまりやすいものを選ぶ。
- スリーブの使いやすさと機能で選ぶ。
- 念頭に好きなブランドを中心に選ぶ。
- 最後は好みですが、本体の色で選ぶ。
この5つの視点で消しゴムを選べば、ゆっくりと楽しんで消しゴムを使えるのではないでしょうか?心にもゆとりが出来ますよ。是非ともお試しください。
最後まで読んでくださいまして、ありがとうございます。読者の方に感謝です。
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