読書会開催レポートのまとめです
そろそろ第177回文房具朝食会@名古屋「屋根裏読書会@三八屋」のまとめをしていかなくてはなりませんね。とても良い読書会でしたので名残惜しいですが、僕自身のまとめもしたいと思っていますので、今日で最後になります。
先ほど、厚生労働省が公表した人口動態統計(速報値)によると、2023年上半期(1~6月)の出生数は、前年同期と比べて3・6%少ない37万1052人だったとのことです。こうやって進行していく少子化で僕たちの生活は変わるのでしょうか。
僕はあまり変わらないだろうなぁと思います。そして規模感が小さくなって行けば行くほど、社会のギクシャクは増幅されると思うのです。これからの10年が楽しみですね。萎縮しちゃいけません、どんな状態でも自由に楽しく過ごすのです。
来年の8月もまた暑くなると思います。何年経っても暑い8月にこの本を思い出したいです。今回の読書会のテーマ本は、辻村深月さんの『傲慢と善良』。今の僕の力で読み解ける全力を出して読みました。また読み返して味わい尽くしますね。
では、僕なりの深掘りをしてみます。
田舎の生き辛さって理解できますか
読書会の中で参加者の方から出た「田舎の生き辛さ」皆さんに理解できますか?僕は田舎で生まれ育ったのでよく理解できます。田舎は、他の人との比較が増幅されるのです。自分はもちろんですが、コミュニティも総がかりで比較してきますからね。
なんとなく安定した基準みたいなものがあって、それに沿って階段を登っていないと「どうして?」のオンパレードになってしまうのが田舎にありがちなことです。どうして結婚しないの、どうして子供いないの、どうして働かないの。
うるさいから放っておいてくれと思う人はどんどん都会に出ていってしまいます。一人って楽だけど、難しいところもある。それが田舎の生き辛さです。多くの人が結婚前に経験していたので、まだまだ日本に残っているんだなぁと思いました。
僕は高校を卒業すると同時に田舎から脱出しました。それほど都会ではなかったのですが、十分に一人暮らしの自由を満喫しました。お金がすぐ尽きてしまうことが辛かったですけど、それ以外はのんびりした暮らしそのものでした。
辻村深月が書いた世界は実在します
この小説を通じて辻村深月さんが書いた世界は実在します。誰もの心の中にちょっとしたひっかき傷となって残っている不思議なほどリアルな世界だと思います。繊細に丁寧に心模様を描き切った作品は、傑作ですね。
僕はこの本を読んで、太宰治の『人間失格』と村上春樹の『1Q84』を思い出しました。どちらも良い本なので、お勧めします。
生き辛くても進んでいける。生き辛くても拓けてくる。魂は何度でも再生する。そして過去も未来も現在によって変えられる。そんなたくさんのキーワードを僕たちにくれた本『傲慢と善良』。誰もが心の中に飼っている傲慢さとそれをカバーする善良さ。しっかりと折り合いつけていきましょうね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。読者の方々に感謝です。