今日はシードのロングセラー消しゴム:Rader(レーダー)について語ります。
僕は子供の頃にシードのRader(レーダー)消しゴムしか使わせてもらえなかったのです。母親がどこからか大量にこの消しゴムをもらってきて、使い切ると母親に申告して次の消しゴムをもらうという配給制度がとられていたから選択の余地がなかったのです。
僕はこの制度にとてもストレスを感じていました。「monoの消しゴムが使いたい、、、」と、友達のペンケースを眺めながらそう思っていました。
友達に時々使わせてもらうmono消しゴムは、恐ろしいほどに消し味が爽快で画期的でした。シードのRader(レーダー)しか買ってもらえないストレスもあって僕のその願望は日増しに強くなりました。会社に入って備品がmono消しゴムだった時に感動は今だに覚えています。
でも、そんな僕なので今日は改めてシードのRader(レーダー)凄さを紹介します。
青いスリーブでお馴染みのシードは過去にはゴム製品を幅広く手掛けていました。しかし、戦後の物資不足の影響を受け、消しゴム一本に絞りゴム事業を決断。1956年には原料を天然ゴムから切り替え、世界初のプラスチック消しゴムを販売しました。
転機は1970年でした。雑誌「暮しの手帖」の商品テストで「レーダーは性能がトップだった上に値段も安い」と評価され、その評判が大きく影響してロングセラーに育っていきます。この雑誌の評価が大きくて、今の地位を確立したと言っても過言ではないのです。
ただここ数年は国内市場の縮小が続いています。ここは周知のことでありますが、OEM供給していた大手文具メーカーが消しゴムを内製化してしまったことも大きな痛手です。生産量はピーク時より4~6割少ない日産20万~30万個に減ってしまっています。
しかし、この逆境を受けながらも、文字だけでなく住まいの汚れも消せたらと、シードのメンバーは考え出しました。そこで誕生したのが掃除用品のシリーズです。水あかや壁の汚れを消しゴムでこすって落とす。樹脂原料を混ぜて成型する技術は消しゴムと変わらないのです。
シードのすごいところ
例えばこの「ほるナビ」。これは消しゴムハンコ専用の消しゴムです。
壁の汚れ落とし専用の消しゴムとか。
水垢落とし消しゴムとか。
既存の消しゴム技術を生かして、暮らしの分野にまで参入しているすごい会社です。
最後まで読んでくださいまして、ありがとうございます。読者の方々の感謝です。