「鉛筆って何の木から出来ているの?」という素朴で純真な質問をいただきました。こういう質問良いですね。文房具ブロガーとしては、ありがたい限りです。ということで、今日はちょっとこの質問に対して深堀していきたいと思います。
- 鉛筆の生産に一年で何本くらい樹木を使うの?
- 鉛筆って何の木から出来ているの?
- 鉛筆の芯は、どうやって作られるの?
- それじゃあ、その黒鉛と粘土はどこから来るの?
- 鉛筆の芯の種類はどうなってるの?
- あわせて読んで欲しい僕の文房具ブログ
鉛筆の生産に一年で何本くらい樹木を使うの?
鉛筆って、年間で樹木を一体何本くらい使うのでしょうか?鉛筆生産量を調べればわかるのでしょうが、このSDGsが叫ばれている世の中で環境に良いものなのか、そして持続可能な文房具なのかよくわかりません。なんだか、いかにも良くさなそうです。
でも根拠も求めずに、良し悪しは決められません。文房具について、僕はコツコツと調べあげていきますので、未来の文房具やあるべき文房具について考えていきましょう。なんとなく社会派ブロガーって感じでやりがいを感じます。
その手始めとして、鉛筆はなんの木で出来ているのか?一体、どんな素材なのか?を調べて見たいと思います。では、始めますね。
鉛筆って何の木から出来ているの?
以前、ペンズアレイタケウチさんで鉛筆をネタにしてインスタライブをさせていただきました。その時に視聴者の方から「鉛筆って何の木から出来ているの?」という質問が飛んできました。なんという純真な質問なのでしょうか。感動しました。
先に答えから言ってしまいますと、大きなくくりでいえば「ひのき」です。日本の鉛筆メーカーは北米産(カナダやカリフォルニア)のひのきの一種:インセンスシダーという木を使っています。この木の質感が一番鉛筆に適していると判断したんでしょう。
樹齢は70年から80年、高さは30mにもなる大きな木です。直径1mにもなるので、鉛筆の芯を挟み込んで作る加工に向いているんでしょうね。ちょっと柔らかくて人の手で削り出すのは良いですが、建築材料には不向きなのだそうですよ。
鉛筆に使う木材は手に触れる可能性があるので、かなりその選択がデリケートです。硬すぎると削りにくくて鉛筆には不向きでしょうし、柔らか過ぎると削ったときにケバだったりします。そして吸湿した時の変化が大きくなって割れてしまったりするでしょうからね。
この鉛筆の木のこと、知ってましたか?僕は、間伐材などを上手に利用しているのかな?って思ってました。今日は、ここから始めて鉛筆の材料について調べて行ってみましょう。身近な鉛筆のことなのですが、知らないことだらけだということがよくわかりますよ。
一時期、割り箸が大量に消費されるのは環境に良くないとマイ箸を持ち込んだりして、使い捨てタイプが取り沙汰された時期がありました。かなり落ち着いたと思いますが、あの時の決着はどうなったんでしょうね?僕は、そんなことも意識して文房具を使っていきたいです。
これからの課題ですね。
鉛筆の芯は、どうやって作られるの?
では、鉛筆の芯の話をしますね。作り方は、こんな感じです。
- 黒鉛と粘土に水を加えてよく練り込む(空気の気泡をなくす)
- 作りたい芯径の大きさの穴から圧力をかけて押し出す
- 適当な長さに切りそろえ、乾燥させる
- その乾燥させた芯を1000℃以上の加熱して焼き固める
- 滑らかに書き続けることが出来るよう含油させる
- 変形しないようにゆっくりと冷ましていく
こんな工程を取りながら鉛筆の芯は製造されていきます。黒鉛自体はとても結合力の弱いもので、このように加工せざるを得ないことはよくわかります。さらには、この配合比率によって鉛筆の濃さと硬さが産み出せるようになっているのです。
このように、鉛筆の芯の濃さと硬さは、主成分の黒鉛と粘土の割合によって決定されるのは有名な話です。黒鉛の割合が高いほど柔らかくて濃い芯になり、粘土の割合が高いほど硬くて薄い芯になるのです。一番濃い10Bを持ってますが書いたことはありません。
基本は絵画のデッサンなどに使われているはずですが、どんな世界なのか一度試してみたいものですね。女性の眉毛を描くペンなどに代用出来るはずですので「あ!ちょっとここ足りてませんよ」とか言って書き足して怒られたりしてみたいものです。
それじゃあ、その黒鉛と粘土はどこから来るの?
黒鉛は、天然に産出する石墨を使っています。これは同じ種類の仲間の石炭とは異なり、層状構造をしてます。これが筆記時の滑らかさを感じる要因となっています。黒鉛は人工でも作ることが出来ますが、まだまだ天然鉱物の価格に勝てず、主に中国から輸入しています。
粘土はドイツ産のものを使うのが一般的です。従来からこの国の粘土は質がよいとされていて、比較的低い温度で結晶化が進み、焼いた時に強く、不純物が少ないという理由から採用されているそうです。粘土なら何でも良いというものではないのですね。
こうして深堀してみますと、日本の鉛筆製造も主原料はほとんど輸入に頼っていることがよくわかります。日本に工場があっても、原料となる部分はすべて輸入品なのです。これからもずっと作っていける文房具なのかどうかは不安ですね。
鉛筆の芯の種類はどうなってるの?
鉛筆の芯は、黒鉛と粘土の配合割合によって、硬いものから軟らかいものまであります。僕たちはこれを用途と好みによって使い分けています。例えばHBは、黒鉛65%に対して粘土35%です。僕は高校生の頃は好んでFを使っていました。
日本工業規格(JIS)で調べてみますと、鉛筆の芯の硬度は6Bから9Hまであります。つまり、17種類の硬度を規定しているのです。硬い芯はHardの頭文字Hを使い、軟らかい芯はBlack の頭文字Bで表されます。
僕が好きだったFはその中間品です。これはFirm(ひきしまった)の頭文字を使っています。
三菱鉛筆は独自で10Bから10Hまでの幅をもたせた商品を販売していますが、いずれはこれがスタンダードになっていくと僕は思います。
こういう豆知識、面白いですよね。僕はブログにこういうネタを書くのも調べるのも大好きです。こういう作業に僕は向いていると思ってます。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます。読者の方に感謝です。