これがオススメ！「普段使いのシャープペンシル11選」使いやすさの秘密はペン先形状です

シャープペンシルに想うこと

僕が普段から愛用している文房具の中でもシャープペンシルは特に欠かせない、そして忘れられない存在です。このメカニカルな感じは大好きです。現代では当たり前のように使っていますが、その歴史をたどってみると、とても面白い背景が見えてきます。

シャープペンシルの起源は19世紀にさかのぼります。1822年、イギリスのサミュエル・ハリソンが「メカニカルペンシル」に似た仕組みを考案したと言われていますが、現代につながる形を生み出したのは日本人でした。なかなか誇らしいことですね。

皆さんもご存じの「エバー・レディ・シャープペンシル」です。発明者は早川徳次さん、のちのシャープ株式会社の創業者です。1915年に発売され、芯を繰り出して使える革新的な鉛筆として注目を集めました。シャープの社名の由来にもなりました。

当時の鉛筆は削るのが当たり前でした。ナイフや鉛筆削り器で削っては芯を整える作業は少々手間です。その点、シャープペンシルは削る必要がなく、いつでも均一な線を引ける便利さが支持されました。まさに、時代を先取りした文房具だったのです。

その後、世界中で改良が重ねられ、ノック式や回転式など様々な機構が登場します。特に日本では戦後、学生の必需品として普及しました。製図用の高精度なモデルから、日常使いの軽量モデルまで幅広く展開され、筆記具のスタンダードとして定着しました。

僕自身も、小学生の時にとても憧れて、なんとか手に入れたいと思っていました。初めて手にしたときの感動は今もありありと覚えています。芯をカチカチとノックして繰り出す感覚にワクワクしたのを覚えています。当時はよく芯が詰まりましたけどね。

芯の太さも時代とともに進化しました。0.9mmの太芯から始まり、0.7mm、0.5mmと細くなり、現在では0.3mmやそれ以下といった極細芯まで存在します。文字をきれいに書きたい人、図面を正確に描きたい人、それぞれのニーズに応える形で多様化しました。

現代のシャープペンは、単なる実用品にとどまりません。ぺんてるの「オレンズ」のように芯が折れにくい工夫を施したもの、パイロットの「ドクターグリップ」のように疲れにくさを追求したもの、そして三菱鉛筆の「クルトガ」のように芯が回転してトガり続けるものなど、各メーカーが知恵を絞って競い合っています。

こうして振り返ると、シャープペンの歴史は便利さを追求する歴史そのものだと思います。削る手間をなくす工夫から始まり、芯の折れやすさや書きやすさといった課題に挑戦し続けてきた結果、今の多彩なラインナップがあるのです。何気なく手に取っている一本にも、100年以上の知恵と努力が詰まっている。そう考えると、ますます愛着が湧いてきますね。

そんなことを考える僕が「普段使いのシャープペンシル10選」をお送りします。